横浜市は若年層のニート・ひきこもりへの支援政策として、今年度より「よこはまユースニューデール」を立ち上げました。この政策の柱の一つが市内の企業によるインターンシップの拡充です。まずは市内の専門学校等と連携を図り、多様な業種でのインターンシップを実施したいと考えています。今回は、この取り組みに積極的に参加している、湘南医療福祉専門学校の君嶋博明さんにお話を伺います。湘南医療福祉専門学校は、JR横須賀線『東戸塚』駅から徒歩2分のところにある専門学校で、あんまマッサージ師、指圧師、はり師、きゅう師、介護福祉士、アスレティックトレーナー、救急救命士の養成課程をもっています。
―学校の特徴を教えていただけますか?
「うちの学校の大きな特徴のひとつは、下が学校、上が施設という、全国でも大変珍しい建物であることです。1階~3階までが学校で、4階から上には老人ホーム(ケアハウスゆうあい)があります。老人ホームは別の法人が運営しているんですが、学校のほうから行事や実習等に参加させていただいて、学生の学習機会として活用させていただいております」
―早速ですけど、今回インターンシップを実施される経緯をお話ししていただけますか?
「これまでにも私どもの講師を中学・高校に派遣して体験講座をしたり、なにかしら職業観の育成にお手伝いができればとチャレンジしてきました。
今回は、ニート、フリーターの方々のために、福祉というひとつのジャンルを体験していただくことで、こういう世界があるんだということを知ってもらおうと考えています。なかなか働けない困難な方にチャンスを与えたいんですよ。何か変われるきっかけを学校側として提供したいと考えているんです」
―具体的にはどのような内容のインターンシップを考えていらっしゃるんですか?
「やはりうちの施設の利便性を最大限に活かしたいと考えております。下の学校で知識と技術を学習していただいて、上の施設ですぐに発揮できる環境がありますから。学んだことをすぐ活かせる。活かしたことをフィードバックできるんです。利用者の方とコミュニケーションをとっていただいたり、生活環境の整備や、プログラムの進み具合にもよりますが、実習介護といったものもやっていけたらいいなと思っています」
「具体的にはインターンは一週間ぐらいでやりたいですね。人数も10名くらいの少人数で実施したいと考えています。最終的に、就職していくということまでを視野に入れて、プログラムを組んでいきます」
―高齢者とのふれ合いなど、福祉の世界って、インターンシップにはハードルが高くありませんか?
「難しいことはそんなに求めていないんですよ。おじいちゃん・おばあちゃん子だったから、高齢者が好きだから、ということだけでいいんです。支えたいっていう気持ちだけあればなんとかなるんじゃないかと思っています。インターンはゼロからでいいんですよ。まったく仕事知りませんし、したことありませんという方でも全然問題ありませんよ」
「ニートやひきこもりの若者は、優しいから動けなくなってしまったというのもあるんじゃないかと思うんです。そういう気持ちを逆にエネルギーにしていただければ、入居者との対応は十分できると思いますよ」
―なるほど。ちなみにインターンシップ中に何か困った事とかあった場合はどういうふうにすればいいんですか?
「実習を行う際には施設側の職員をアドバイザーとしていれますので、アドバイザーがしっかりフォローしますよ。学校は学校のほうで担当がおりますので。それぞれの相談役のほうに相談していただいていいんですよ。内容も些細なことでもいいんです。とにかく不安にならないように、いろいろ言ってください」
―では、湘南医療福祉専門学校でのインターンシップの“売り”というか“特徴”を教えていただけますか?
「このプログラムのいいところは、スタッフ以上に評価してくださる方がいらっしゃるということなんですよ。それがなにかっていったら入居者です。施設のほうで入居者から、じかに感想を言ってもらう。私たちが仕組む話じゃないですから。生で評価してもらうんです」
―なるほど。
「福祉はいわれているほど悪い世界じゃないんですよ。一生懸命頑張ってやらせてもらってれば、当然、“ありがとう”って言ってもらえる。今なかなかそういう商売って少ないじゃないですか。実習中でも、おそらく入居者の皆さんに“ありがとう”って言われると思いますよ。相手を支えたいなという気持ちがあって、普通に仕事をしてもらえれば“ありがとう”って。その“ありがとう”を将来、勇気や自信にかえて羽ばたいていってもらいたいんです」
―インターンシップ終了後についてはどのようにお考えですか?
「私たちとしては、最初から入学っていうことは考えていないんですね。福祉っていうのは向く・向かないっていうのがありますし、ただ福祉っていってもいろんな仕事がありますから。まずは入り口を全部体験してもらって、もう少しやりたいなっていった場合、ホームヘルパーの養成研修などに入ってもらい、福祉の資格を取ってもらいます。最終的には自分の進路ですから、ご自身で決めてもらえればいいと思っています。私たちとしては、なにかを知る場や、きっかけを与えさせてもらうだけです。ターニングポイントになればうれしいですね」
―ちなみに、このご時世でホームヘルパーを取ると、仕事はかなりあるんですか?
「かなりありますよ(笑)」
―最後に、このインタビューをご覧いただいている若者に一言お願いします。
「本当に将来につなげてもらいたいなって思っているんですよ。自分にはこういう力あったんだとか。こういうことに活かせるんだとか。まずはどんな仕事でも気持ちが大事なわけですから。インターンシップを通して、その気持ちを確認してもらって、自分のプライドとか誇りにかえていってもらえれば、仕事はできると思いますよ」
インターンシップの内容は、改めて本サイトのジョブトライアル内で、ユーザーのみなさんにご報告させていただきたいと思います。今日はありがとうございました。