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―まずは皆さんが参加しようと思った理由を教えて下さい。
Nさん「私はオフィスワークを経験したことがなかったので、職場の雰囲気や仕事内容を知りたくてインターンに参加しました」
Mさん「自分は就職に対するモチベーションがあんまり湧いてなかったので、それを打開するための方法の一つとして参加しました。今はアルバイトをやっているので、それとはまた別のアプローチでいこうと思ったんです。アルバイトと正社員というのはやっぱり責任の重さが違うと思いますし。就職する上でバイトとは違う働き方について見ておきたいなと思ったんです」
Sさん「私はとにかく職員の人と普通にコミュニケーションが取れるようになりたいと思って参加しました」
―確かに、就職する前に、雰囲気や働き方のようなものを確認できることは大きなメリットですよね。それで皆さん、実際インターンに参加してみてどうでしたか?
Mさん「コピーを取ったり自分たちがやったことのマニュアルを作ったり、特別なことをしたということではないのかもしれないですけど、やっぱり職場の中に入って仕事が体験できるという経験自体に価値があったと思います」
Kさん「職場の雰囲気を見れたことが大きいと思います。あとは、忙しくしている人に対して話かけるときのタイミングを図ったり、察するというようなコミュニケーションのとり方が学べました」
―なるほど。職場の雰囲気や人間関係というのは就職して入ってみないと良く分からなかったりしますからね。
Kさん「役所の仕事は、皆さんピリピリして寡黙にやっていると思っていたんですけど、意外とフランクないい雰囲気で、ちょっとびっくりしました。皆さんが連携して働いている姿を見ていて、オフィスでの仕事に改めて魅力を感じました」
―インターンが始まる前に、何か不安なことはありましたか?
Sさん「最初は環境に馴染めるかとか、どんな仕事をやるのか解らなかったので、それに対する不安もありました。受け入れ側の職員の方たちがお昼ご飯も一緒に連れていってくれたり、仕事の合間に声をかけてくれたり、親切に接してくれて初日から安心して入ることができました」
―皆さんこのインターンでいろいろ学んだと思いますが、それを自分自身ではどう受け止めていますか?
Nさん「市役所の人たちがどういう関係性でどんな内容の仕事をしていて、就職の選択肢としてこういう仕事があるんだなということがこのインターンをしながら学べたと思います」
一同「それはそうですよね」
―この経験をもとにして、次のステップに進んでいけるということですね。
―まず参加している若者たちについてどのように感じましたか?
山口さん「参加している方に全体として感じるのは、個人が持っている能力を外に出せない、アピールできないということです。彼らとじっくり付き合ってみると、すごいマメだとか、話ベタだけれども人に思いやりがあって他の人のために仕事をしたりとか、じっくり正確に仕事をこなしたりと、それぞれ持っている能力はあるんです。でも彼らはそれをうまくアピールできていないんだなと感じました」
―せっかく持っている能力なのに、なんだかもったいないですね。
山口さん「ですから本人が自己アピールをできる練習を、このインターンシップの中でしてもらおうと思っています」
―インターンシップの参加者が電話応対の練習をしていましたが、それもそういった狙いからなんですか?
山口さん「そうですね。電話に出るのに少し自信がなくても、やってみると意外と簡単だったり、案外できるんだっていうことを体験してもらって、私たちがちょっと彼らの背中を押す作業をしています。市役所はとっても大きな組織ですし、かっちりとした事務仕事の場所なので、それにふさわしいマナーやルールがあるということも理解してもらいたいと思っています。未就労の段階で、企業に行って面接をしなければいけないのに、日頃からから大きな声で話すとか、きちんと挨拶をするとか、できていないとなかなか企業に正しく評価されないと思うんです」
―具体的にはどのように参加者の方に理解を促すようにしているんですか?
山口さん「インターンシップでは、とりあえず自分でやってみるようにしてもらっています。現実で働きはじめたら、自分で考えるとか、進んで自分からやるとか、他の人が忙しそうだったら気づくとか、そういうことが一番大切だと思うんですね。だから『どうしたらいいと思う?』と問いかけるようにして、まず考えてもらうように心掛けています。そうして参加者の方が返してくれる言葉というのは当たっていることが多いんです。彼らは何かいろいろ教えてもらっているつもりなのかもしれないですけど、そうじゃなくて、こっちが投げかけて、彼らが考えた結果なんです」
―なるほど。彼らが本来持っている能力を発揮するっていうことですね。
山口さん「自立っていうと一人で頑張らなればならいというようなイメージがあると思うんですけど、本当はそうじゃなくて、みんなに支えられながら働いていると思うんですね。それを獲得するために必要なワンステップとして、どうやったらチームで働けるのかということを理解してもらうことが大事だと思っています」
関口さんにはこのインターンシップの話に留まらず、横浜市のインターンシップ制度を通して横浜の若者をどう育成していくのかなど広い視野でもお話いただきました。
―どうして横浜市こども青少年局でインターンを受け入れるようになったのか、まずその経緯をお話いただけますか?
関口さん「このインターンシップの事業自体は今年の二月ぐらいから横浜市のロータリークラブに参加されている各企業様のご好意から始まった事業になります。青少年育成課では、企業様と支援者の方々と若者のマッチングをしていたんですが、いろんなお話を聞く中で、やっぱり自分たちの職場でも受け入れてみないと、企業様にもリアルな言葉でお願いできないですし、実際そこで働く若者たちの気持ちもわからないだろうということで、まず横浜市役所の青少年育成課で受け入れてみようということで始まったんです」
―実際、受け入れてみた手ごたえはどうでしたか?
関口さん「すごく自分の仕事に対してまじめに取り組む方が多かったですね。かなりいろんな仕事をやっていただいたということで、大変だったと思うんですけど。
―私も参加者の方たちとお話してみてまじめな方が多いなと感じました。同時にそのまじめさ故に考えすぎて、これまで行き詰ってしまっていたのかなかとも。それを打破する取り組みがインターンなのかなと感じました。
関口さん「だからこそ参加した方たちには、そのままアルバイトなり正規雇用なり次のステップに進んでいって欲しいですね。我々としては、そのために社会全体で、若者の働ける場をどう育てていくかということを作っていきたいと考えています」
―若者の働ける場を育てていくというのはとても大きなテーマだと思うんですが、そのために関口さんが考えていることを教えてもらえますか?
関口さん「まず受け入れていただく企業様に、インターンシップを通じて、困難を抱える若者を具体的にイメージしてもらうということがすごく重要だと思います。市内企業の多くの企業様にこうしたインターンシップを受け入れていただくことで、横浜の若者を育成しながら、地域経済の担い手にしていくようなムーブメントを作っていきたいと思っています」
―それは最終的に横浜市こども青少年局の大きな使命に繋がっているということですよね。
関口さん「そうですね。若者の支援は社会の中の一つの潤滑油というか、若者の一人ひとりがかけがえのない人生を生きて、社会の中で働くことっていうことがすごく大切な要素だと思うんです。若者がいきいきと自己実現して働けるような環境を市内の企業さんと一緒に作っていくことで、最終的に横浜を活性化していくことの大きな柱になると思うんです」
―ありがとうございました。