Hamatorium Cafe通信

【ジョブ・カード制度】

横浜商工会議所 神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンター

 正社員を目指す求職者の新たな職業訓練の方法として、また、求人企業と求職者とのマッチングを支援する有効な取り組みとして話題になっている「ジョブ・カード制度」。

 職務経歴や職業能力に対する企業の評価などを書き込むシート「ジョブ・カード」を用いた制度で、求職者にとっては給与を受け取りながら企業などで職業訓練をする機会が得られるとともに、企業にとっては国からの助成金を受けながら自社のニーズに応じた人材育成と評価ができるなど、求職者と企業のどちらにもメリットのある制度になっています。

 では、ジョブ・カード制度の仕組みはどのようになっていて、実際に活用するにはどうすればいいのでしょうか。この連載では、利用者と企業両方の目線で、ジョブ・カード制度について探ってみたいと思います。

従来の職務経歴書には書くことのできなかった成果や経験をアピールできる

 横浜市内にてジョブ・カード制度の普及を行っているのは、横浜商工会議所。全国138の商工会議所にジョブ・カードセンターが設置されています。神奈川県内では横須賀商工会議所をはじめ、横浜・川崎・相模原・厚木・藤沢・平塚・海老名商工会議所に、ジョブ・カードセンターならびにサポートセンターが設置されています。

 求人企業がジョブ・カード制度を利用する際の窓口となるのがこれらのセンターになり、求職者はハローワークが窓口となります。では、ジョブ・カードは従来の履歴書や職務経歴書と何が違うのでしょうか?

 ジョブ・カードには、求職者が正社員経歴だけでなくアルバイト経歴も細かに職務経歴欄に書くことができ、さらにそれぞれの経歴に対して「職務の中で学んだこと」や「得られた知識・技能」を記入できます。「工場のバイトではチームワークの大切さや集中力を学んだ」、「コンビニでは店長から信頼されて後輩の指導を任された」など、従来の職務経歴書には書くことのできなかったひとつひとつの職場での成果や学んだことをアピールできるようになっています。

 また、「社会活動体験歴」には、ボランティア活動の経験や部活・サークルなどでの活動についてもくわしく書くことができ、「資格・免許」欄には習い事などで得た資格や免許も記入することができます。

>>厚生労働省:「ジョブ・カード制度」のご案内

>>日本商工会議所:全国のジョブ・カードセンター サポートセンター 一覧


自分の関心のあることや職業意識を見つめ直し、最適な職業選択につなげる

 横浜市内でのジョブ・カード制度の普及を担う横浜商工会議所(神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンター)では、ジョブ・カード制度の説明会や、職場見学・体験学習などを実施しています。
昨年12月21日に行われた「これから正社員を目指す人のための職場見学・体験講習」に参加し、ジョブ・カード制度についてお話を伺いました。

 職場見学・体験講習の当日は、岩崎学園でのパソコン演習に始まり、山下埠頭の横浜港運協会水上部長より港湾の仕事について説明を受けた後、横浜市海事広報艇「はまどり」に乗って横浜港と港湾業務の現場を見学。その後横浜本牧にある日本庭園「三渓園」を訪れ、観光施設の管理業務の見学を行い、最後にジョブ・カード作成とキャリアコンサルティングが行われました。

 横浜商工会議所(神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンター)の望月恵子さんは「ジョブ・カード協力企業は全国で約6,300社(平成21年11月30日現在)あり、横浜では200人以上の方が職業訓練をしてその多くが正社員としての雇用につながっています。3カ月〜6カ月の研修を行った上でその評価により正式採用になりますし、もし採用に結びつかなくても研修で学んだスキルは残るので、それを利用してキャリアアップにつなげることができます」と話しています。

 ジョブ・カード制度の画期的な点は、インターンシップと違い、企業との雇用関係のもとでの職業訓練実習が行えるため、給与を受け取りながら職業能力を身につけ、仕事の適性を判断できるところ。そして、その過程で自分の関心のあることや職業意識を見つめ直し、最適な職業選択につなげることができることにあります。

「賃金が出て訓練もできるというところがジョブ・カード制度の良さです。何か1つでもまじめにやっていたことがあればそれをジョブ・カードに記入できますし、それがきっかけになります。まずはサポートセンターやハローワークに来ていただければ自分のスキルがどこにあるのかキャリア・コンサルティングを通して見えてきますし、そこから自分のスキルをベースにして+αをつけられるようにこの制度を活用してもらえればと思います」(望月さん)

 横浜商工会議所が主催する「職場見学・体験学習」の次回開催は2月19日、次回のテーマは農業体験とのことですので、興味のある方は参加してみて、ジョブ・カード作成にも取り組んでみてはいかがでしょうか。

>>2月19日開催「これから正社員を目指す人のための職場見学・体験講習(農業編)横浜商工会議所 神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンター」

>>横浜商工会議所


ジョブ・カード制度を活用するために〜就労への新しいカタチ〜

 横浜市内の方がジョブ・カードを取得するには、「ジョブ・カード様式」(厚生労働省のホームページからダウンロード可能)に記入の上、横浜商工会議所ジョブ・カードサポートセンター、ハローワーク、ジョブカフェ、(独)雇用・能力開発機構都道府県センター、民間職業紹介機関などで登録キャリア・コンサルタント(厚生労働省または登録団体に登録されたキャリア・コンサルタント)によるキャリア・コンサルティングを受ける必要があります。

 ジョブ・カード様式を持ってハローワークなどでキャリア・コンサルティングを受けることによりジョブ・カードが完成し、特性や経歴を企業に向けてくわしくアピールしたり、登録企業で職業訓練を受けることができるようになります。ジョブ・カードサポートセンターでは、企業への雇用型訓練の導入を推進しており、ジョブ・カード制度の仕組みや活用方法を知ることができます。

>>厚生労働省:ジョブ・カード様式ダウンロードページ


 ジョブ・カード制度による企業への助成金について見てみると、中小企業への人材支援の助成金が1番多くなっています。これは、大企業へ就職するという選択肢が少なくなってきている現在、より地域に根ざした形で社会に貢献するという働き方が増えてきていることを表しているようにも思います。今後は、ジョブ・カード制度を利用している中小企業の声、職業訓練を経て正社員になった方たちの意見を交えて、よりくわしいジョブ・カード制度の活用方法について調べていきたいと思います。

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取材・文/古屋涼

(2010.01.05)
横浜商工会議所 神奈川県地域ジョブ・カードサポートセンター #hamatorium
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